研究課題/領域番号 |
19650177
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
スポーツ科学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤本 敏彦 東北大学, 高等教育開発推進センター, 講師 (00229048)
|
研究分担者 |
田代 学 サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 准教授 (00333477)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2009年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2008年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2007年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | 運動 / PET / 脳活動 / 糖代謝 / 情動 / 脳機能画像 |
研究概要 |
【目的】本研究はヒトを対象に、ポジトロン断層法(PET)と糖の疑似体である^<18>F-フルオログルコース(^<18>F-FDG)を用いて、運動後の60分目の脳活動を観察することであった。【方法】被験者は健康な男子大学生5名(年齢21.0±1.0歳、最大酸素摂取量47.1±3.5ml/kg/min)であった。被験者は運動実験と安静実験の2回の実験に参加した。運動は最大酸素摂取量(VO2max)の55%強度での35分間の自転車運動であった。運動終了60分後に^<18>F-FDGを肘動脈より投与し、その後約30分間の安静を取った。安静終了後、脳のPET撮影を開始する。安静実験では30分以上の安静の後、^<18>F-FDGを投与し、その後さらに約30分間の安静を取った。また運動における情動の変化は質問紙MCL-2を用いて評価した。【結果】本研究では運動後に爽快感の改善が認められた。しかし脳領域との関連は認められなかった。脳の相対的糖取り込みは運動後60分後安静時に有意な変化は認められなかった。また絶対的糖取り込みにおいても有意な変化は認められなかった。【考察】運動後の情動変化は改善したが、辺緑系などの情動に関わる領域との関連は認めれなかった。前年に研究対象とした運動就労後10分目の脳の糖取り込みは安静時に比較して劇的に減少したが、その減少は運動終了後60分後では安静状態に回復することが本研究の結果から考えられた。 運動後に運動野で相対的糖の取り込みが減少することは、糖に変わるエネルギー源、例えば乳酸の利用が考えられる。本研究で運動後60分後で血中乳酸値は安静時まで回復しており、脳もエネルギー源のほとんどを糖に戻したと推察される。運動後の脳の神経細胞が血中のエネルギー基質濃度に比例してそのエネルギー源の利用割合を変化させることは全ての新しい発見である。
|