研究課題/領域番号 |
19650225
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
科学教育
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森村 成樹 京都大学, 野生動物研究センター, 助教 (90396226)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2009年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2008年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 動物園 / 環境教育 / 環境エンリッチメント / 展示技法 / 教育効果 |
研究概要 |
3か年計画の最終年度として、参加者が環境エンリッチメントをおこなう趣旨の教育プログラムを動物園3園(よこはま市動物園、野毛山動物園、熊本市動植物園)において実施した。環境エンリッチメントを教育プログラムとして活用することによって、プログラム参加者のみならず、一般来園者の滞在時間が延長される効果が得られた。一連の研究から、動物園来園者の滞在時間が1分以下という非常に短いことが明らかとなった。従って、通常の展示では環境教育に必要な情報を来園者が得ることは難しい。環境エンリッチメントは、一般来園者に見る上で注目すべき点(行動、生態など)を与える役割を果たすことで、来園者の滞在時間が引き延ばされたと考えられた。動物が、本来の行動レパートリーと時間配分を発現できるための環境エンリッチメントは、動物福祉の観点からだけでなく、効果的な環境教育の実践として普及に努めるべきとの結論を得た。加えて、GPSを用いた来園者行動調査から、休憩場所で54.1%を過ごすことが明らかとなった。夏暑く、冬寒く、休む場所が限られているという多くの動物園で見られる空間的特徴は、来園者にとって快適な空間とは言えない。入場口周辺での滞在も多く見られ、動物園の空間配置が来園者の行動、ひいては環境教育の効果に影響を与えうることが新たに分かった。本研究において日本で初めて実施されたGPSを用いた動物園での来園者行動調査は、様々な方面での活用が期待される技術でもある。展示される動物と来園者の行動をさらに詳細に検討することで、動物にも人間にも福祉的配慮のある、教育効果の高い動物園作りを推進するべきである。
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