• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

外洋性海鳥・渡り鳥の尾腺分泌ワックスを用いた地球規模POPsモニタリング

研究課題

研究課題/領域番号 19651003
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 環境動態解析
研究機関東京農工大学

研究代表者

高田 秀重  東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (70187970)

研究分担者 綿貫 豊  北海道大学, 大学院・水産学研究院, 准教授 (40192819)
研究期間 (年度) 2007 – 2008
研究課題ステータス 完了 (2008年度)
配分額 *注記
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2007年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワードモニタリング / 海鳥 / 渡り鳥 / POPs / ポリ塩化ビフェニル / 環境汚染 / 代謝 / 有機塩素系農薬
研究概要

北極から南極までの広範囲に生息する海鳥13種(60個体)からワックスを採取した。ワックスは、ガラスフィルター、キムワイプ、または外科用ガーゼを用いて尾腺を拭き取ることによって採取した。試料を超音波抽出し、2段階のシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分画・精製後、ガスクロマトグラフ電子捕獲型検出器(GC-ECD)にて同定・定量を行った。
全ての海鳥からPCBs,DDTs,HCHsが検出され、汚染が地球全体に広がっていることが確認された。いずれの汚染物質においても、北半球に生息する種は南半球に生息する種より濃度が高いことが明らかとなった。北半球にPOPsの汚染源が多く存在することによると考えられた。
同じ海域に生息する種であっても、種によって汚染濃度に違いが見られた。例えば亜南極に生息する5種の海鳥のPCBs濃度は、相対的にマユグロアホウドリとアオメウが高濃度、アデリーペンギンとヒゲペンギンが低濃度、ジェンツーペンギンは濃度に幅があり、中間程度であった。マユグロアホウドリとアオメウは主に魚類を、アデリーペンギンとヒゲペンギンはオキアミを、ジェンツーペンギンは日和見的という食性の違いがあり、この食性の違いが汚染濃度の違いに反映されていると考えられた。すなわち、魚類はオキアミより栄養段階が高く、PCBsをより高度に濃縮しており、この傾向はそれらを食した海鳥にも反映されると考えられた。このことはPCBs組成からも支持された。
本研究は、海鳥の尾腺ワックスを用いて極域を含む地球全体のPOPs汚染を包括的に明らかにした初めての例である。今後、非殺傷型モニタリングの特性を活かし、継続的かつ広範囲のPOPs汚染を明らかにすることが可能になれば、外洋における海洋生態系の汚染機構のさらなる解明に貢献できると考える。

報告書

(2件)
  • 2008 実績報告書
  • 2007 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Transport and release of chemicals from plastics to the environment and to wildlife.2009

    • 著者名/発表者名
      Emma L. Teuten, Yutaka Watanuki, Hideshige Takada, 他24名
    • 雑誌名

      Philosophical Transactions of The Royal Society B (印刷中)

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Evaluation of non-invasive approach for monitoring PCB pollution of seabirds using preen gland oil2007

    • 著者名/発表者名
      Rei Yamashita
    • 雑誌名

      Environmental Science & Technology 41

      ページ: 4901-4906

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり

URL: 

公開日: 2007-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi