研究課題/領域番号 |
19651021
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線・化学物質影響科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
飯田 敏行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60115988)
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研究分担者 |
加藤 裕史 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40224547)
佐藤 文信 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40332746)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2008年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2007年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アルファ線 / ホウ素10 / 中性子照射 / 細胞放射線照射損傷 / 細胞チップ / マイクロチェンバーアレイ / 中性子核反応 / 細胞照射 |
研究概要 |
本研究“アルファ線放出反応を利用した放射線応答細胞チップ技術の開発"では、ターゲット細胞に放射線照射されたエネルギー粒子の数を正確に測定し、同時に細胞への放射線照射効果を調べるための実験手法を開発した。細胞培養チップの底は、エネルギー荷電粒子を検出することが可能な厚さ10μmのCR-39プラスチックフィルムを用いている。CR-39プラスチックフィルムは、市販のCR-39を長時間の化学エッチングによって厚さを調製した。また、CR-39フィルム膜と細胞の間にホウ素10を含む化合物層が形成されている。これは、ホウ素10の熱中性子捕獲断面積は大きく、ホウ素10の核反応からのアルファ線とリチウム原子が放出され、細胞に損傷を与えるためである。中性子照射後、細胞培養チップ底のCR-39フィルムを化学エッチングによって現像することにより、生成されたエネルギー荷電粒子の飛跡をエッチピットとして観察することが可能である。本研究では、標準α線源を用いた予備試験を実施した。 細胞培養チップの底面からα線を照射した後、細胞核のDNAの2重切断を検出するためにγ-H2AX抗体で、細胞を染色した。さらに、細胞ディシュの底から、アルカリ溶液でCR-39フィルムを化学エッチングした。細胞核内にエネルギー荷電粒子によって生成されたDNA損傷が観測されているところでは、それに伴うエッチピットが観測された。これらの実験結果は開発した実験手法が、粒子検出と細胞の損傷を同時に高い位置精度で観測できていることを示している。
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