研究課題/領域番号 |
19651036
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境技術・環境材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井上 正志 京都大学, 工学研究科, 教授 (30151624)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2007年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 硝酸イオン / 水環境 / メトヘモグロビン血症 / 触媒還元 / 環境触媒 / 担体効果 / グリコサーマル法 / 複合酸化物 |
研究概要 |
硝酸イオンを含む水を乳幼児が飲むと硝酸イオンが胃中で亜硝酸イオンに還元され、これがヘモグロビンと結合して酸素運搬能力を失わせるため(メトヘモグロビン血症)、場合により死に至ることが知られている。そこで水中に存在する硝酸イオンを水素により還元する新しい触媒系を見出すことを目的に研究した。昨年度の研究では、グリコサーマル法で調製したチタニアやシリカ修飾チタニアに担持したPd-Cu触媒が高い硝酸イオン還元活性を持つことを見出したが、反応によりアンモニアが副生するため反応の進行とともに系のpHが上昇し、反応速度定数が正確に求められないという問題に直面した。このため本年度は、反応中のpH一定に保つようpHスタット装置を導入し、酸を滴下しながら反応を行った。pHを比較的低く保つことにより、亜硝酸イオンの還元活性が大幅に上昇し、亜硝酸イオンへの選択性が大きく低下した。この結果は、亜硝酸イオンの還元には硝酸イオンの還元に比べてpHの影響が大きいことが示唆された。また、pHを保つために滴下する酸の対イオンも反応に影響を及ぼし、塩化物イオンは硝酸イオンの還元速度を低下させることを見出した。さらに、触媒金属のクラスター状態が反応に影響を及ぼし、高温で担体を焼成することにより担体表面積を低下させると、Pd-Cu触媒の硝酸イオン還元活性がむしろ向上することを見出した。
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