研究課題
萌芽研究
本研究は(1)企業間の取引関係、資本関係の量的把握、(2)中心度、直径と半径などのネットワーク構造の解明、(3)中核企業の析出とその行動パターンの解析、(4)中核企業の時系列的傾向の把握、(5)中核企業の行動パターンと経営業績との関連の解明を目的とし、ネットワーク組織の構造と時系列的な変化を解明するために、マツダ自動車の企業グループ洋光会を取り上げた。そのため、1980年から2005年までの取引データと持株データを収集した。各年度の中核企業を析出するために、連結度をはじめ、近接度や間隔度などのセントラリティ指標を計算した。1980年度から2005年度までの各中核企業のセントラリティ指標を計算し、その時系列変化と傾向分析を行った。また、企業の行動パターンとして、各自動車メーカーのフラクタル次元と極限周期軌道を測定し、中核企業のパターンを解明した。さらに、企業の行動パターンと経営業績との関係を確認するために、経常利益や売上高などの指標を収集し、両者間の相関分析を実施した。従って、本研究の目的を基本的に達成したといえよう。本研究を通じて、グラフ理論や複雑系理論の企業経営における有効性を確認することができた。また、従来定性的な分析しかできなかった企業間関係をビジュアル化することができた。さらに、これらの企業間関係を具体的に測定し、企業間関係との相関関係を解明することができた。これらの研究成果は、ネットワーク組織の構造を解明するばかりではなく、企業経営研究の新たな方向を示すものであると考えられる。データの収集方法をはじめ、数理モデルの開発、計算結果の経営学的意義などを引き続き吟味し、検討しなければならない多くの問題点が残されており、今後の研究課題としたい。
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宮崎大学工学部紀要・総合論文 38(印刷中)
110007333421
Memoirs of the Faculty of Engineering, University of Miyazaki 38(印刷中)
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