研究課題/領域番号 |
19652064
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
麓 慎一 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (30261259)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 郡司成忠 / 報効義会 / 千島アイヌ / 露米会社 / ロシア領アメリ / ラッコ / 密猟 / 英領カナダ / ロシア領アメリカ / 明治天皇 / 片岡侍従 / アイヌ / 国境 / ゴローニン / 北方世界 / 千島列島 / 樺太・千島交換条約 / 植民地 / アラスカ |
研究概要 |
本年度は、露米会社の崩壊と北方世界、とりわけ千島列島の変容について分析した。露米会社の崩壊とロシア領アメリカ(アラスカ)の売却が、環太平洋の海洋秩序の弛緩を招き、これにより毛皮獣の密猟業者が千島列島のみならず、東北地方の海域に侵入するようになった。とりわけ、千島列島では、密猟者の対策として軍艦を派遣したが、広大な海域を数艘の軍艦では警備できなかった。 開拓使は、千島列島のアイヌを「日本人化」するために政策を展開した。しかし、実際には、密猟者たちの横暴からアイヌを保護することもできず、結局、北千島のアイヌをシコタン島に移住させた。これにより千島列島は、国民なき国土となり、この状況を打開するために退役軍人郡司成忠の「報効義会」という組織が北千島の植民を担った。このような従来、領土保全の担い手として位置付けられていた郡司成忠の活動を露米会社の崩壊との関係-すなわち環太平洋の海洋秩序の弛緩-との関係から分析することに成功した。これらの分析から、以上のような問題が千島列島や北方世界だけでなく小笠原や開港地横浜の動向とも関連していることを解明した。 さらに、樺太・千島交換条約後にロシアに渡った千島列島のアイヌたちの動向についてロシア国立極東文書館(在ウラジオストク)の資料から分析することができた。この問題については、すでにロシア国立外交資料館において重要資料を入手しているので、本資料と極東文書館の資料を対照しながら分析し、検討した。
|