研究課題/領域番号 |
19653021
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用経済学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
秋山 太郎 国立大学法人横浜国立大学, 経済学部, 教授 (40167854)
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研究分担者 |
永井 圭二 国立大学法人横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 教授 (50311866)
倉澤 資成 国立大学法人横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 教授 (40018057)
冨浦 英一 (富浦 英一) 国立大学法人横浜国立大学, 経済学部, 教授 (40273065)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ベンチャー / イノベーション / R&D / サバイバル分析 / 企業金融 |
研究概要 |
(1) IT産業を中心とする約500社のベンチャー企業の財務データを用いて、回帰分析とデータ包絡分析法(DEA)の2方法によってTFP(全要素生産性)を求め、倒産企業と生存企業について比較を行った。倒産企業のTFPの分布は生存企業に比べて、メデイアンが小さいという結果が、どちらの手法によるTFPを用いても得られている。データはいわゆる長期不況の時期であり、西村・中島・清田によって発見された生産性が高い企業が市場から撤退するという市場の淘汰機能の機能不全は、ベンチャー企業については発生していないことが確認された。 (2) 倒産に加えて、上場をも考え2eventに拡張したサバイバル分析によるベンチャーの実証分析を行った。さらに、この実証分析の結果と昨年度行った倒産のみを考えた計量的実証研究の実証結果の解釈を行った。概ね理論的な予測に適合した結果が得られたが、企業の負債比率が倒産に対して負の効果があるというやや直感に反する結果が得られている。投資プロジェクトの成功確率に関して企業の経営者と投資家の間に非対称情報が存在する場合、成功確率が高い企業は負債をシグナルとして用いるため、成功確率が高い企業は負債で資金調達を行うという企業金融理論の結論から、この実証結果は解釈でき、その意味では経済理論に適合している。しかしながら、これはベンチャー企業の質という「観察されない異質性」(unobserved heterogeneity)の効果が、見かけ上は負債比率の効果としてとらえられていることを意味している。この問題点を回避するためには、経営者・企業の他の属性等を含むデータの拡充を含む実証分析面での工夫が必要であることが分かった。
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