研究課題/領域番号 |
19653040
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
会計学
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
内藤 文雄 甲南大学, 経営学部, 教授 (80188862)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2009年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 財務諸表監査 / 経営者不正 / 積極的利益調整 / 粉飾決算 / 会計上の見積もり / 会計判断 |
研究概要 |
本研究は、会計上の見積りに代表される経営者の会計判断の主観性の程度が大きいためにもたらされる利益調整(アーニングス・マネジメント)が、どの程度になれば財務諸表の重要な虚偽表示(利益操作・粉飾決算)と判断されるべきか、その区画原理および判断基準を明らかにする目的をもった研究である。本研究の基礎として財務諸表等会計情報の質的特性の分析が必要であり、それにもとづき一般に公正妥当と認められた会計基準の枠内での経営者の会計判断のフレキシビリティを利用した積極的な利益計算の調整が、財務諸表の虚偽表示、すなわち粉飾決算とどの水準において区別されるのかということを解明する目的を有している。 最終年度の本年度は、昨年度までの研究成果に基づき、本研究の概念フレームワークおよび粉飾決算の実際データ・ケースから帰納した区画原理・判断規準をモデル化し、その理解可能性と実践可能性を検証することを主たる研究課題とした。そこで、昨年度に導出した区画原理・判断規準の構造モデル化を試み、当該モデルの理解可能性と実践可能性を検証するため、日本の上場会社3,794社を対象として、質問票調査を行い、利益調整と重要な虚偽表示の区画水準ならびに利益調整を行い易い財務諸表項目に関する財務諸表作成者サイドの意識を明らかにした。 また、会計上の見積りに関する会計基準がIFRSsへのアドプションによってどのように変化し、その変化が利益調整にどのように影響を与えるかについても監査のあり方の側面からISAを分析するとともに、本研究課題に関連する国内研究のレビューにより、本研究成果の独自性を検討した。 なお、本研究成果を海外にも発信すべく、本研究の基礎を構成する成果について英語への翻訳を行った。
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