研究課題/領域番号 |
19653051
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会福祉学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
小野 達也 大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (30320419)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2008年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 社会福祉関係 / 地域福祉 / ソーシャルクオリティ / 社会的排除 / 生活世界 / システム |
研究概要 |
本研究は「ソーシャルクオリティ」という概念を日本の地域福祉に適用する上での理論的検討を行い、分析のためのモデル構築を目指すものである。 平成20年度の前半には、地域福祉での枠組み設定が主たる作業となった。ソーシャルクオリティの4つの要素である社会・経済的保障、インクルージョン、社会凝集性、エンパワメントを地域社会で可視化するための指標を検討した。また、ソーシャルクオリティの枠組みであるコミュニケーションや人々のかかわりによる「生活世界」と市場や行政サービスによる「システム」の関連性を考察して、特に地域でのコミュニケーションや人々のかかわり合いの重要性を確認することができた。この作業を経て、地域住民が自分たちの地域の社会の質をどのように考えているかを調べるための簡易式調査用紙を作成した。これは、前述の4要素それぞれに対して問いを設定し、住民に評価してもらい、併せて当該地域の暮らしやすさを点数化してもらうというアンケート票である。これを活用することで、暮らしやすさに影響を与える要素がわかり、さらには生活世界とシステムという観点から、どのような条件の時にどちらが暮らしやすさに影響を与えるのかを考察することができる、と考えた。 平成20年度後半では、理論的な検討をまとめて、生活世界を重視することから展開する地域福祉の論文を作成した。また調査用紙を用いて、試行的な調査を行うことができた。現時点で仮説的には、「システムはあるレベルまでは暮らしやすさに大きな影響を持つが、ある一定のレベルを越えるとその先は人々のコミュニケーションによる生活世界が暮らしやすさに影響を与える」と考えている。ただし、この点については今後、検証が必要である。このように本研究では生活世界とシステムのかかわり合いから、地域社会の質を考えるというあらたな地域福祉分析の基礎を築くことができた。
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