研究課題/領域番号 |
19653072
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育心理学
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研究機関 | 独立行政法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
西田 裕紀子 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 予防開発部, 研究員 (60393170)
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研究分担者 |
下方 浩史 国立長寿医療センター(研究所), 疫学研究部, 部長 (10226269)
安藤 富士子 国立長寿医療センター(研究所), 疫学研究部・長期縦断疫学研究室, 室長 (90333393)
丹下 智香子 国立長寿医療センター(研究所), 疫学研究部, 外来研究員 (40422828)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2010年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 定年退職 / 心理的健康 / 縦断的アプローチ / 学際・縦断的アプローチ |
研究概要 |
本研究課題では、定年退職を迎えた中高年者がどのように生活を変化させていくことが心理的健康を維持・増進するのかについて、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」の縦断データを用いて検討することを目的とした。 1. 具体的内容:平成22年度には、(1)縦断調査データの収集、(2)定年退職者の縦断データベースの構築、(3)定年退職後の就労が心理的健康に及ぼす影響に関する分析、(4)研究発表を行った。(1)縦断調査データの収集:NILS-LSAの第6次調査として、半構造化面接及び自記式調査票により、データ収集を行った。(2)定年退職者の縦断データベースの構築:(1)のデータを含む、定年退職経験者の縦断データベースを構築した。NILS-LSA(第2次調査~第6次調査)の参加者のうち、(a)いずれかの調査で過去2年以内の定年退職経験を報告し、(b)その2年前の調査にも参加していた定年退職経験者は237名であった。(3)定年退職後の就労が心理的健康に及ぼす影響に関する分析:定年退職後の過ごし方として「退職後も働き続けるかどうか」に着目し、定年退職後の就労の有無が、定年退職前後における心理的健康の変化に与える影響を検討した。その結果、定年退職後も仕事を持つ男性では、定年退職の前から後にかけて情報処理能力が向上していたが、定年退職後無職の男性ではその変化は認められなかった。一方で、生活満足度は、定年退職後有職の男性では変化がなかったが、定年退職後で仕事を辞めた男性では、定年退職の前から後にかけて向上していた。(4)研究発表:上述の結果について、学会発表を行い、論文を執筆した。 2. 意義・重要性:定年退職を迎える者にとって「退職後も働き続けるかどうか」は、重要な選択である。定年退職後の就労の有無と、情報処理の能力や生活満足感との関連を示す今回の結果は、定年退職後の過ごし方が、定年退職前後の心身の状態に影響する可能性を示唆する点で意義深いと考えられる。
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