研究分担者 |
福士 [コウ]士 (福士 〓士) 川村学園女子大学, 教育学部, 教授 (20113615)
濱田 治良 (浜田 治良) 徳島大学, 総合科学部, 教授 (80109404)
岡野 大 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (90294785)
小西 敏雄 松山東雲女子大学, 人文学部, 教授 (60205432)
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研究概要 |
相互変換可能性(パターン間変換群構造)と不変性(パターン内変換群構造)の概念で類似性判断や良さ判断のような異質な認知判断(両者の相互作用を含む)の統合的な説明を可能とする数理モデルを構成し,妥当性の実験的検証を行った.人の認知現象にも数理的方法は有効な研究手段であると考えられる. 1. 線形2値パターンの類似性判断と良さ判断に与える准変換群構造の効果に関するこれまでの実験結果を整理し,新たな実験を行って,モデルの妥当性を検討した.その過程で准変換群構造の認知は変換群構造説の視点で類似度と良さが高くなる方向になされること等がわかった. 2. 本来は対称的なパターン対の類似性判断に微妙な非対称性が存在するとされている.パターンaの良さG(a)とパターンbの良さG(b)の間にG(a)>G(b)なる関係があれば,aからbへの類似度G(a,b)とbからaへの類似度S(b,a)の間にS(a,b)<S(b,a)なる関係が成立すると考えると,変換群構造説でこの問題に自然な説明を与えることができる.これまでの実験結果を整理し,モデルの妥当性を検討した.実験の方法にはまだ工夫の余地が残されていると考えられる. 3. 正方2値行列パターンの実験結果にt-検定,多重比較(対応のないHSD法と対応のあるHSD法)を適用し,結果を比較検討した.変換群構造説による予測の妥当性の検定には対応のあるHSD法が適していることがわかった(国際会議で発表). 4. 正方2値行列21要素複合図形を考案し,変換群構造説の基礎である今井(1986)の順序整合性仮説と順序保存仮説を検証した(論文投稿中).また,複雑さ判断の実験を行って,同様な結果を得た.
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