研究課題/領域番号 |
19654035
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
福田 善之 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (40272520)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 太陽ニュートリノ / ニュートリノ振動 / 放射線検出器 / 素粒子実験 / 宇宙線実験 |
研究概要 |
pp/7Be太陽ニュートリノ観測を目的として、酸化インジウムの薄膜を蒸着した固体シンチレーターの開発を行った。昨年度の開発から、薄膜の材料として酸化インジウム(In_2O_3)に酸化スズ(SnO_3)を重量比で約10%混合させたITO(Indium Tin Oxide)を用い、本学が所有する蒸着装置SVC-700をもちいて薄膜形成を行った。本年度は、直接シンチレーターに蒸着する方法は採用せず、プレパラートに蒸着したものをシンチレーターと光電子増倍管の間に挿入し、蒸着の性質を測定した。使用したシンチレーターは、CsI、BGO(Bi_4、GYSO、YSOの4種類である。昨年度の結果から、ITO蒸着後に着色する現象が観測されたので、これを改善させるため、本年度はアルゴン7Paに酸素1Paを混合した雰囲気で蒸着した。薄膜厚を0.91μm、1.38μm、2.86μmとして酸素導入条件下で形成させた結果、昨年同様に黄色に着色しており酸素導入による効果は確認できなかった。そこで各シンチレーター光を用いて透過率を測定したところ、それぞれ平均75%、55%、35%となった。また、透過率には波長依存性が確認され、長波長で吸収率が少ない傾向であった。酸素導入による効果は440nm以下で5-10%程度の透過率回復を得ており、550nm付近の長波長側の透過率と同程度に回復することがわかった。しかし、10μmの厚みを想定すると透過率は6%程度と計算されて、エネルギー分解能は100%程度に悪化することがシミュレーションにより予想された。100keVで30%のエネルギー分解能を達成するためには、膜厚は0.2μm程度となり、現在の手法では透過率の著しい改善がなされない限り、酸化インジウムを蒸着して太陽ニュートリノ検出器として稼働させる能力がないことがわかった。
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