研究課題/領域番号 |
19654059
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子・分子・量子エレクトロニクス・プラズマ
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
関川 太郎 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90282607)
|
研究期間 (年度) |
2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2007年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | 高次高調波 / 極端紫外非線形光学 / 多電子励起状態 / ヘリウム原子 / オージェ電子 |
研究概要 |
本研究の目的は、フェムト秒レーザーの高次高調波を用いて、非線形光学過程により原子の多電子励起状態の生成することである。特に、ヘリウム原子の多電子励起状態を生成検証することを目的とした。これまで、原子分子の研究は軌道放射光を用いて行われてきたが、軌道放射光はコヒーレンスが悪いため非線形光学効果を起こすことができなかった。高次高調波を用いることにより極端紫外域における非線形光学過程の研究を行うことが初めて可能となる。 当初ヘリウムの2s^2状態の検出を目指した。チタンサファイアレーザー(光子エネルギー1.55eV)の19次高調波(光子エネルギー:29.45eV)を発生させ、その2光子吸収を観測しようとしたが、2s^2状態の寿命が短いため観測できなかった。そのため、生成エネルギーが62.2eVの2p^2状態の検出を目的とした。これは、19次と21次高調波の和周波にあたる。発生した高調波を球面鏡でヘリウムガスに集光し2電子励起状態を生成し、その後、オージェ過程で出てくる光電子を、磁気ボトル型光電子分光器を使って効率よく検出した。 その結果、39次と41次高調波による光電子の間の40次高調波に当たるところに光電子を観測することに成功した。レーザーの偏光依存性を測定してみると、等方的な空間分布を持っていることがわかった。これは、2p^2状態特有の依存性であり2電子励起状態が非線形光学過程により生成していることを示す。この成果は現在、英文学術誌に投稿中である。
|