研究課題/領域番号 |
19654063
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理・化学物理
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川勝 年洋 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20214596)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 高分子 / 自己無撞着場理論 / 壁面 / ミクロ相分離 / シミュレーション / 相転移 / 動的経路 / 穴あきラメラ / 界面活性剤 / モルフォロジー転移 / 膜の曲げ弾性 / ミセル / ベシクル / DPD |
研究概要 |
ミセルや薄膜のような狭い空間に高分子を閉じこめた場合、狭い空間への閉じこめによる配位のエントロピーの現象と、高分子と膜面との相互作用、膜の変形などの種々の効果が融合して複雑な現象を示すことが知られている。そのような現象を理論的に解明するために、我々は高分子を経路積分によって表現し、自己無撞着場理論の方法を適用することで、壁面近傍の高分子鎖の配位の変形を定量的に計算した。具体的な例として、高分子の慣性半径に比べて狭い容器(薄膜あるいは球状の容器)の内部に閉じこめられたA-Bジブロック共重合体の相分離構造をシミュレートした。薄膜の厚さと壁面との相互作用を調節することで、3次元空間中では安定に存在できない穴あきラメラ構造を安定に形成することに成功した。また、壁面の化学的性質を変化させる(壁面との相互作用パラメタを変化させる)ことにより、相分離の構造がどのように影響を受けるかを系統的に調べた。次にこの系に電場を印可することで、相分離のドメイン構造のモルフォロジーの転移を誘起し、転移の動力学を調べた。電場印可の方向によって異なる転移の経路が確認された。また、外場による構造相転移と臨界現象の間に形式的な対応があることも示すことが数値シミュレーションから示唆され、界面ダイナミクスの方法を用いた基礎方程式の理論的な考察からこの予想が正しいことを示すことが出来た。膜面の変形の自由度に関しては、ヘルフリッヒの弾性膜モデルを用いた準備的な数値計算を行った。今後、両者を融合して新しい計算手法を開発する。
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