研究課題/領域番号 |
19655003
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮坂 博 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40182000)
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研究分担者 |
伊都 将司 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (10372632)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2007年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 単分子分光 / 光アンチバンチング / マイクロ液滴 / 単一分子光子統計 |
研究概要 |
本研究では、緩和の非常に早い室温溶液中で単分子レベルの励起状態ダイナミックスを追跡可能な方法論の構築を目的とし2年の計画で研究を遂行した。本年度は、ペリレンジイミド誘導体(BP-PDI)を平均1個以下の濃度で含むアルカン液的を薄膜状のハイドロゲル中に固定した試料を作製し、1年次(H19)に構築したフェムトーピコ秒パルスレーザーを励起光源とした共焦点レーザー顕微鏡システムを用いて液的中の単分子蛍光検出を行った。その結果、液滴中のBP-PDIの蛍光は、強度がほぼ一定でブリンキングを示さないものが多く観測された。これはポリマーなどの固体中とは異なり溶液中では緩和が早く、イオン化した色素の電荷再結合が迅速に進行するためであると考えられ、従来の単分子計測の実験系では観測できなかった現象である。また、サイズが200〜300nmの液的中では、蛍光強度の時間変化に数ミリ秒程度のスパイク上の信号が観測された。これは励起用レーザー光の偏光と吸収の双極子モーメントが平行となる配向を取って蛍光分子が液滴-周囲媒体(ハイドロゲル)界面に一時的に留まるためであると解釈できる。一方、直径1μm以上の液滴系では、2種に大別できる特徴的な信号が得られ、これらは液中を自由拡散する状態と、界面近傍で吸・脱着し並進拡散が抑えられた状態からの信号とそれぞれ解釈できた。蛍光強度の時間変化の自己相関関数を計算し、蛍光相関分光法と同様の解析を行うと、並進拡散による寄与に加えてより遅い時定数が得られ、これは上で述べた色素が液滴界面で吸脱着を行うとする解釈を指示する結果であった。さらにこれは高感度CCD検出器による蛍光イメージングによっても直接的に確認された。以上のように本研究により、溶液中における単分子の励起状態ダイナミックス追跡のための基礎的な方法論を確立することができた。
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