研究課題/領域番号 |
19655017
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
栗原 正人 山形大学, 理学部, 准教授 (50292826)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2007年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | ナノ微粒子 / 金属錯体 / 前駆体 / 表面修飾 / 熱分解 / 単分散 / シュウ酸 / 導電膜 |
研究概要 |
銀ナノ微粒子は、その融点効果を利用した「printed electronics」材料として注目を集めている。ことに、100℃以下で低温焼結性を示す銀ナノ微粒子の創製は、耐熱性の脆弱なフレキシブル樹脂基板上への微細金属配線を実現するために重要である。インクジェットなど最近の印刷技術を応用した金属ナノ微粒子の微細パターニングには、その金属ナノ微粒子が溶媒に安定に分散した"ナノ微粒子インク"の開発が求められる。 一般に、長期保存性を有す銀ナノ微粒子を得るためには、安定な表面保護分子でその表面を覆う必要がある。反面、その保護分子の除去温度が高温になってしまう。アルキルアミン系保護分子は、貴金属ナノ微粒子に対してはその表面安定化が弱いため低温焼結には最適であるが、逆に、ナノ微粒子の高効率・大量合成はこれまで困難であった。本研究では、銀オレイルアミン錯体を前駆体として用い、オレイルアミン保護銀ナノ微粒子の高効率・大量合成法に成功した。 シュウ酸銀とオレイルアミンの化学量論反応により、シュウ酸架橋銀オレイルアミン錯体が生成することを見出した。オレイルアミンは銀(I)イオンに対する配位能力が高いため、銀シュウ酸塩の無限連結構造を切断し、溶媒に可溶なシュウ酸架橋銀二核錯体を与えた。この二核錯体を加熱すると、脱炭酸を伴う自己熱分解が進み、銀イオンが還元される。還元された銀原子の凝集は進むが、周辺にはオレイルアミンが存在しているため、その凝集による結晶成長はナノサイズで抑制されることが分かった。本手法はオレイルアミンに対して他のアルキルアミンを添加した場合でも、100%に近い収率で銀超微粒子を得ることができるようになった。パラジウムシュウ酸錯体を活性炭に担持し、これを空気下で熱分解することでも、パラジウムナノ微粒子を得ることができるようになった。
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