研究課題/領域番号 |
19655019
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡崎 雅明 京都大学, 化学研究所, 准教授 (20292203)
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研究分担者 |
三原 久明 京都大学, 化学研究所, 助教 (30324693)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2007年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | タンパク質 / クラスター / 鉄 / 酸化還元 / 構造変化 / 触媒 / 機能 / 人工タンパク質 |
研究概要 |
天然のタンパク質の多くは、補因子と呼ばれる低分子をポリペプチド鎖中の特定の位置に保持することで、触媒、電子伝達、分子認識などの様々な機能を獲得してきた。つまり、フラビン、ヘム、鉄-硫黄クラスターといった機能性低分子の能力をタンパク質は質的、量的に高次元に導くことが可能なわけである。本萌芽研究では、機能性低分子として酸化還元に応答して構造変化が可能な[4Fe-4C]クラスターを取り上げ、タンパク質のポリペプチド鎖に導入することで複合化分子を創製し、その性質を調べた。 [4Fe-4C]骨格内の炭素上にspacerを介してlinker(マレイミド基)を導入し、クラスター1を収率76%で得た。クラスター1は対陰イオンとしてヘキサフルオロリン酸イオンを有し、アセトニトリルあるいは塩化メチレンなどの極性有機溶媒には可溶であるが水溶性は低く、タンパク質と複合化する上で障害となることから、対陰イオンを硝酸イオンで置換することで、その水溶性を著しく向上させることに成功した。[4Fe-4C]骨格と複合化するタンパク質としては、システイン残基をサブユニットあたり8つもつセレノシステインリアーゼを選択した。この反応の選択性は低く、タンパク質に[4Fe-4C]骨格が1〜3個導入され、それぞれを分離精製することは困難であった。次にシステイン残基をサブユニットあたり2つもつチオレドキシレダクターゼとの反応を検討したところ、[4Fe-4C]骨格が2つ選択的にタンパク質に導入された複合化分子が高収率で得られた。得られた分子のキャラクタリゼーションは質量スペクトルおよびサイクリックブルタモグラムにより行った。
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