研究課題/領域番号 |
19655021
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
山村 剛士 東京理科大学, 理学部・化学科, 教授 (00114702)
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研究分担者 |
坂本 良太 東京理科大学, 理学部, 助教 (80453843)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2007年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | Mn クラスター / 酸素発生中心 OEC / クラスターの被覆安定化 / シルセスキオキサン / Si-O-Si ネットワーク / OECモデル / Mnクラスター / Si-O-Siネット被覆 / O_2発生 / シルセスキオキサンカルボン酸 / syn-syn配位 / バタフライ型Mn4クラスター |
研究概要 |
緑色植物や藍藻類のPSIIは可視光を用いて水を酸化し酸素発生をおこないながらプロトンと電子を取り出す。PSII中の酸素発生中心(OEC)はMn_4CaO_<4or5>コアを持つ多核クラスターであり、疎水場の中に置かれている。OECに関してこれまで、多くのマンガンクラスターの合成が試みられたが酸素発生の触媒化に成功した例はない。我々は従来単一分子磁石として知られてきたMn_<12>が含水溶媒中で酸素を発生しながら不溶性沈殿物を生じることを見出した。本研究計画の目的はMn_<12>をSi-O-Siのネットで覆うことによって、酸化反応に際して起こるクラスターの崩壊とポリマー化を防止し、水を酸化する触媒としての能力を有するOEC模倣新規ナノリアクターを構築することである。平成20年度は平成19年度の成果を受けてSi-O-Si被覆を持つMn_<12>の合成をめざし、配位子としてのシルセスキオキサンカルボン酸Cy_7Si_8O_<12>-O(CH_2)_2COOHの合成とこれをもちいたMn_<12>の配位子置換条件の検討をおこなった。その結果、水分解活性を失うことなく置換をおこなわせる反応と精製の条件を明らかにした(極めて困難であった)。さらにネットワーク化が可能なH_7Si_8O_<12>-(CH_2)_2COOHおよびH_7Si_8O_<12>-(CH_2)_2C_6H_4COOHの合成を試み、また、Si-H結合の保護・脱保護の条件の検討に入ったが、目標を達するには到らなかった。なお、大型の疎水性有機配位子による反応点のみを残したクラスターの被覆も試み、2個のMnへのsyh-syn配位が可能な疎水性カルボキシレート2座配位子を合成し、ほぼ目的どおりの構造を有するバタフライ型Mn_4クラスターの合成に成功した。
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