研究課題/領域番号 |
19655035
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
真島 和志 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (70159143)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 亜鉛触媒 / クラスター触媒 / エステル交換反応 / 亜鉛4核錯体 / トリフルオロ酢酸配位子 / 官能基選択性 / 共沸 / 協同活性化作用 / 亜鉛錯体 / クラスター / エステル化反応 / トランスエステル化反応 / アミノアルコール |
研究概要 |
エステルは最も基本的な官能基の一つであり、天然物、医薬品、機能性物質を始めとした多くの化合物に含まれている。また、特にメチルエステルやエチルエステルといった低級エステルは安定で安価、かつ取り扱い容易であるといった性質から合成原料・中間体として汎用されている。 本代表者は、トリフルオロ酢酸架橋亜鉛四核クラスターZn_4(OCOCF_3)_6Oを触媒としたカルボニル基活性化を鍵とする合成反応開発を昨年度に引き続き研究を行い、低級エステルからより複雑なエステルへの変換反応である触媒的エステル交換反応を見いだした。本触媒1.25mol%の存在下、メチルエステルと20mol%過剰のアルコールをジイソプロピルエーテル溶媒中還流することで対応するエステルを得ることが出来た。この反応の特筆すべき点としては、高収率であることが挙げられる。一般にエステル交換反応は平衡反応であり、高収率を得るためには大過剰のアルコール・低級エステルが必要であったり、ビニルエステルの様な特殊なエステルを原料に用いたりすることが必要であるが、本エステル交換反応においては特別に厳しい条件を必要とせず、最高99%の高収率を達成することが出来た。これはジイソプロピルエーテルが共生するメタノールと共沸していることで効率的に反応が進行するためであると考えられる。 反応条件が非常に穏やかなであることから、本反応は多くの官能基、保護基を損なうことなく反応が進行する特徴を持ち、広い基質一般性を達成することに成功した。これは触媒のクラスター構造による基質の協同活性化作用および電子吸引性のトリフルオロ酢酸配位子により低温においても活性を維持できるためであると考えている。
|