研究課題/領域番号 |
19655037
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小西 克明 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (80234798)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ポルフィリン / かご状構造体 / Auクラスター |
研究概要 |
本研究では、球状構造をもつ粒径1〜20nm程度の金属クラスター化合物をテンプレートとして用い、その近傍に配位集積化したポルフィリン化合物間を架橋重合後、クラスターを溶解除去することによって、内部に中空空間を有するポルフィリンオリゴマー(ポリマー)構造体を合成し、パイ電子リッチな内部空間の物質取込能や触媒としてのポテンシャルを調べることを目的とした。これまでの研究で確立された手法を用いて、6つの亜鉛ポルフィリンからできたかご状構造体の内部空間に平均粒径1.4nmのAuクラスターを閉じこめた構造体を合成し、閉じこめた金クラスターの除去を、シアン化ナトリウム,ヨー化カリウム/ヨウ素などの金を溶解する試薬を用いて検討を行った。その結果、金クラスター自体は完全に溶解除去することができたが、残ったポルフィリン成分が用いる試薬や反応条件によって異なることがわかった。さらに、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いた検討から、いずれの場合にも、複数の成分を含んでいることが明らかとなった。これらの成分を単離し、マトリックス支援レーザー脱離質量分析法を用いて分子量の決定を試みたが、重合度のことなるオリゴマーに相当するピークが観察され、さらにレーザー強度等の分析条件によってその強度が著しく変化することがわかった。質量分析条件下での、開裂と再結合のためであると考えられる。この他に、NMRによる構造同定についても試みたが、全体的にピークがブロード化し、いくつかのコンホメーションが存在していることが示唆された。結論として、中空空間を有するポルフィリンオリゴマーを単離、同定するには至らなかったが、複合体から金クラスターを溶解除去する手法を確立することができた。
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