研究課題/領域番号 |
19655042
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子化学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
大崎 茂芳 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90273911)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | クモ / 巣 / 糸 / リサイクル / 唾液 / 消化 / 素材 |
研究概要 |
クモは頻繁に巣を張り変えていることは知られているが、集めた古い糸を食べるのかどうかを確かめた例はほとんど見られない。クモは自ら集めた古い糸を食べて30分で新しい巣を作るという話は本当なのかどうかのチェックは、巣の張り替えの多くは深夜であるため極めて難しかった。そこで、リサイクルの観点から、クモから取り出した唾液で巣が物理化学的に消化できるかどうかを調べることが先決と考えた。 平成19年度は、クモの唾液を採取する方法を探索したが、小さなクモ相手であるために悪戦苦闘の連続であった。やっと少しの唾液を採取できるようになったものの、適切な採取方法を確立するには至らなかった。次に、光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いて、唾液で糸が溶けるものなのかどうかを糸の形態観察で調べることにした。予測では、唾液で蜘蛛の糸は容易に解けそうに思えた。計画に従って、唾液で種々の糸を溶かそうと試みたが、ことごとく失敗した。縦糸などは全く溶けなかった。 平成20年度は、クモから唾液の採取方法をある程度確立できるようになった。そして、唾液によって巣のどの糸が溶けるものなのかを明らかにすることを試みた。また、異なるクモの種によって糸の溶けやすさが変わるのかも調べた。その結果、糸の種類によって溶けやすさが異なる可能性が生まれてきた。また、それまで全く溶けなかったクモの糸も外的条件によって溶ける可能性を示唆するデータが得られるようになってきた。今後はこれらの条件を明らかにしつつ、新しい研究課題に取り組む予定である。
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