研究課題/領域番号 |
19655047
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能物質化学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鍋島 達弥 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (80198374)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2007年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 超分子化学 / 配位結合 / クラスター / 協同効果 / 分子認識 |
研究概要 |
初年度から引き続き、Schiff塩基部位を6つもつトライアングル型の平面分子(環状trisaloph)を合成し、この上に金属が自己集積しながらクラスターが生成する新規なクラスター錯体の合成法について検討を行うことで「パーシャルテンプレート」なる新概念の確立と、この手法の適用限界を調べることを目的に検討を行った。 長鎖アルキル基を多数もつ環状trisaloph配位子の合成についてもこれまで合成したものと同様にパーシャルテンプレート法が適用可能であり、鎖の種類によって、ホモ多核錯体とする方が有利である場合と、ヘテロ多核錯体とする場合が有利である場合があることを見いだした。また、トリアルコキシベンゼンなどの液晶生成に有利な置換基を導入した金属クラスター錯体のone-pot合成にも成功した。ただしこれらを用いた液晶生成にはまだ成功していない。しかし本手法によって多様な疎水性置換基をもつ環状trisaloph配位子を収率よく合成できることが明らかになったので、液晶形成が期待できる環状trisaloph配位子の合成への道を拓くことができたと考えている。また本研究では、クラウンエーテル部位を導入した環状trisaloph金属クラスター錯体の合成にも成功し、これらがさらにクラウン部でアルカリ金属イオンを認識し、アルカリ金属イオンの種類によってクラスター錯体の二量化が起こることも各種分光学的手法により明らかにした。この成果は金属クラスター錯体をもつ機能性分子カプセル合成の新たな道を拓くもので、萌芽研究として相応しい成果となっている。
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