研究概要 |
本研究では、色素分子等を配向性を持たせて担持した光機能性ゼオライト微粒子を用い、これを多光束レーザー干渉による多焦点光学系で捕捉することでゼオライト微粒子に配向および位置の規則性を持たせ、色素担持ゼオライト微粒子によるフォトニック結晶を作製することを目指した。前年度の研究により,アスペクト比を制御してゼオライト微粒子を作製すること,およびその内部にレゾルフィンおよびヘミシアニン色素を配向して担持させることに成功した。そこで本年度は,レーザートラッピング技術を用いてゼオライト微粒子のマクロな配列を制御することを試みた。いくつかの光学系を使って試したものの,微粒子の二次元的配列の制御はある程度可能であるが,三次元的な制御は困難だった。これは,ゼオライト微粒子の位置を制御できるだけの強い光強度勾配(電場勾配)を,広い領域に渡って作製することができなかったことによると考えられる。 一方,レーザートラッピングの実験を行っている過程で,捕捉されているゼオライト微粒子が回転する場合があることを見出した。これは,微粒子の形状の微妙な異方性に原因があると,現時点では考えている。色素分子あるいはイオン・原子を担持したゼオライト微粒子は,レーザートラッピング技術によりそれを任意の位置に配置することで,局所的なセンサーとして用いられる可能性があるが,微粒子の回転することにより,撹拌などの新たな機能性を付加できる可能性がある。
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