研究課題/領域番号 |
19655074
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業材料
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研究機関 | 東京大学 (2009) 東京工業大学 (2007-2008) |
研究代表者 |
山田 淳夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30359690)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2009年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2007年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 窒化物 / リチウム電池 / 負極 / 遷移金属 / 水素吸蔵 |
研究概要 |
これまでにない簡便なLi_<3-x>Mn_xNの直接固相合成の確立を目的として研究を行った。新規合成法を探索するに当たって、逆蛍石構造とLi_3N型層状構造中でのMnの形式原子価の違いに着目した。Li_3N型層状構造中ではI価と低い形式原子価でMnが存在しているため、N_2を含まない雰囲気を用いて合成することによりLi_3N型層状構造化合物が安定に得られるのではないかと考えた。実際に、Li_3N型層状化合物と逆蛍石構造窒化物合成の焼成時に通常用いられるN_2やNH_3雰囲気ではなく、Arを焼成雰囲気に採用することで、700℃でx=2/3の組成のほぼ単相のLi_<3-x>-Mn_xNを得ることに成功した。また、様々なLi/Mn比での合成を試みたが、X線回折におけるピーク位置の変化はみられず、全パターンフィッティングより求めたa,c軸ともにLi/Mn比に因らず、ほぼ一定の値を示した。このことより、Li_<3-x>Mn_xNはx=2/3の組成のみで得られる特異な組成選択性を持ち、連続固溶体を形成しない系であることが示唆された。XAFSによる局所構造解析ではMn原子同士が等間隔に存在していることが示され、Li_2[Li_<1/3>Mn_<2/3>]Nという組成からLiとMnが規則配列している可能性が示唆されたが、平均構造を反映するX線回折測定では超格子構造の証拠を掴むには至っていない。 電極特性としてはLi_3Nでは観測されない可逆容量が観測され、初期酸化/還元容量はそれぞれ380,280mAh/g程度であり、この化合物がリチウム二次電池の電極として動作することを初めて提示した。また、充電過程で鉄やコバルトを含む遷移金属含有リチウム窒化物と同様に、結晶構造が崩壊しアモルファス化して充放電反応が進むことを確認した。
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