研究課題/領域番号 |
19655078
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業材料
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
今井 宏明 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70255595)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 炭酸カルシウム / 酸性高分子 / バイオミネラル / 結晶成長 / 有機-無機複合材料 / 蛍光色素 / フォトクロミック色素 / ナノ結晶 / ハイブリッド / メソクリスタル / ホスト材料 / ナノ空間 / 有機色素 |
研究概要 |
ナノ空間創出を目的とした高分子・CaCO_3系メソクリスタルの合成条件の確立とその構造解析 バイオミネラルに類似したナノ結晶が特定の秩序を持って配列したCaCO_3ナノ構造体を、カルボキシ基、フェニルスルポ基を持つ種々の酸性高分子との協奏的な結晶成長によって合成し、その結晶形、ナノ構造、マクロ形態との関係を調査した。これにより、結晶問のナノ空間創出に適した高分子と成長手法の選択を可能とし、高い比表面積とメソ細孔をもつホスト材料として、ポリアクリル酸(PSS)/カルサイト複合体、ポリスチレンスルホン酸(PSS)/バテライト複合体、スチレンスルホン酸マレイン酸コポリマー(PSS-MA)/カルサイト複合体(=メソクリスタル)を見出した。これらのメソクリスタルには、親水性、疎水性のいずれの色素も導入可能で、酸性高分子からなるナノ空間は両親媒的なホスト機能をもつことがわかった。PSSによるナノ空間は酸性環境であり、ベンゼン環に対する親和性が高く、蛍光色素の発光効率の向上やフォトクロミック色素の異性化反応に適していると考えられる。 意義と重要性これまでの高分子材料や有機無機ハイブリッド材料の多くは、メソ領域(10-100nm)での構造を持たない。本研究では、ナノクリスタルにおける高分子相に着目し、新規ホスト材料としてのメソコンポジットを提案する。メソコンポジットでは、すべての高分子鎖が表面に存在しており、スムーズに種々の色素などの有機分子の導入が可能で、柔軟に分子を取り囲むため、蛍光やフォトクロミックなどの機能発現に優れている。今後は、生物における色素分子の安定的な取り込みを参考に、機能分子の安定性向上による新機能発現や、薬剤導入とその徐放機能の活用によるドラッグデリバリーなどへの展開に期待が持てる。
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