研究概要 |
マイクロバブルは数十マイクロメートルのきの知であり,これが液体中に量に存在することによって従来にない機能を有する液体を作ることができる。このことから近年マイクロバブルは急速に関心が高まっている。本研究ではこのようなさまざまな可能性を有するマイクロバブルが混入した液体を噴霧として利用することに着目し,マイクロバブル混入液体の噴霧特性について研究を行った。特に,圧力噴射弁として多用されるスワール噴射弁とフラットスプレーノズルなどの代表的なアトマイザーを用いて,マイクロバブルがどの程度噴霧内に存在することができるかを定量的に調べた。 その結果,スワール噴射弁とフラットスプレーノズルのいずれにおいても100μm以上の粒径を持つ噴霧液滴にマイクロバブルが取り込まれることがわかった。また,粒径が大きなほどマイクロバブルが取り込まれる確率が高いことも示された。さらに,本申請によって購入した高速ビデオカメラを用いて微粒化過程の観察を行った結果,ノズルから噴出した液膜中にマイクロバブルが含まれ,液膜が液糸に変化する過程で液糸内に多くのマイクロバブルが含まれることが観察された。最終的に,液糸が液滴に分裂する際に複数のマイクロバブルを取り込むことが明らかになった。ただし,マイクロバブルが貧まれたことによる微粒化の促進効果は見られなかった。また,マイクロバブルを含む孜体の粘性係数ならびに表面張力を変化させた場合,液滴中にマイクロバブル特性がどのように変化するかについても実験を行った。その結果,粘性係数および表面張力が10%程度変化しても,マイクロバブルが含まれる特性に大きな変化は現れなかった。
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