研究概要 |
20年度には,以下に示す項目の検討を行なった. 1)桁遊間に関する研究 19年度と同様の中越地震で被災した橋梁を対象モデルとし,桁遊間量をパラメータとした解析を実施した.Casel(遊間量90mm)の解析結果によると,衝突はA1橋台側で4回,P3橋脚側で7回発生する.A1橋台の1回目の衝突力に着目すると,衝突開始時の速度は,その前のP3橋脚の1回目の衝突終了時の速度にその間の力積を加えたものにほぼ合致する.このことから,衝突開始時の速度はその前の衝突終了時の速度とその間の力積で決まり,衝突力は衝突開始時の速度に依存すると考えられる.遊間量が小さくなれば,衝突回数は増加するが,最大衝突力と平均衝突力は滅少する傾向にある.これは,衝突回数の増加が力積量の減少に影響するためと考えられる. 2)背面地盤特性に関する研究 橋台底面の地盤条件をパラメータとした検討において,N値∞としたものとN値70から40としたものを比較した結果,衝突が発生することにより,N値∞の場合ではパラペット下端部に大きなせん断変形が発生しており,N値50から40の場合では橋台自身に大きな水平変位および回転変位が発生している.このことから,主桁の衝突による橋台の変形はN値が小さくなるとパラペット基礎の変形量よりも橋台自身の変形量が大きくなり,主桁を十分に拘束できないことが判明した.
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