研究課題/領域番号 |
19656141
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築環境・設備
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 信介 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00142240)
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研究期間 (年度) |
2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 仮想建物 / 多目的最適化 / 建築設計システム / データ駆動 / オブジェクト指向型データベース |
研究概要 |
本研究では、設計段階における建物形状等の変更が各種シミュレーションに入力される条件データに反映され、また、シミュレーションの結果データによって、建築設計に使用するデータベースが自動的に更新される「データ駆動型」の建築設計システム「Virtual Building(仮想建物)」のプロトタイプの開発を行った。データベースの構成は2種に大別され、それぞれプロジェクトデータベース(PDB)と、ジェネラルデータベース(GDB)として命名している。PDB内には建物の全情報や運用スケジュール等、物件に固有となる情報が格納される。これらは、建物の形状のように設計変更が無い限りは変化しない静的なデータ類と、シミュレーションを実行することで時系列的に変化する動的なデータ類の両方が含まれ得る。PDBは本研究の要となり、オブジェクト指向型のデータモデルを採る。 Virtual Buildingの構築に必要なオブジェクト指向型データベースはインターシステムズの「Cache'(キャシエ)」を使用して作成した。これに接続するソフトウェアとして、(株)山内設計室のCADソフトウェア「AE-CAD」及び、熱換気回路網シミュレーションソフトウェア「AE-Sim/Heat」を使用している。「Cache'」に内蔵されているスクリプト言語を使用して、データベースとのインプット・アウトプットを実行するプログラムを作成している。このようなシミュレーションソフトを複数連成させる場合には、複数の視点から評価可能な多目的最適化手法が必要とされるが、本データベースはこうした一連の連成が可能な媒体としての位置づけとなる。 また、萌芽研究の成果を利用して、Virtual Buildingとアドバンスソフト(株)の火災時安全解析用プログラム「EVE SAYFA-1D」との連成が可能となった。例えば、Virtual Building内から「EVE SAYFA-1D」を実効させると、AE-CADで作成した建物情報をVirtual Building内に取り入れ、これに、外部気象条件や燃料の時間変化などの諸条件を与えることで、火災の進行について予測計算や結果のグラフ表示が可能となる。 今後もシステムの構築を発展させていく次第である。
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