研究概要 |
1)グリーンインフラストラクチャー(GI)の土地戦略の検討 これまでの研究成果を踏まえてGIを用いた「土地利用と水みちに着目した田園都市空間の分析・計画・デザイン手法の創出」の一連の研究を通した「雨水流出に着目する新たな都市計画デザインの可能性」を報告書の形式でとりまとめた。特に、雨水流出が土地利用に大きく影響されることから、これからの総合的な土地利用管理に地下浸透や地表流出め地域マネジメントが必要であること、水田が地域に大きな保水機能を与えていることから都市周辺部の水田の保全が重要であること、日本にも浸透トレンチなどの雨水流出抑制技術は蓄積されているが、それらが都市デザイン、景観デザインの手法と運携がとれておらず、これからはそれらが必要であることを示した。また、水環境にかかわる都市計画の制度の体系整理をおこない、GIの考え方を土地利用計画へ反映させるための課題を整理した。 2)GIの構成要素、伊勢湾流域の土地被覆が水環境、温熱環境に及ぼす影響分析 前年度から継続して、伊勢湾流域圏全体、水系からミクロな集水域にいたるまで、土地被覆が水環境に及ぼす影響について、考察した。 近年,都市域では,緑地の減少,アスファルト化など,地表面の改変が進んできた。一方で,ヒートアイランド現象などの熱汚染が都市城で大きな問題となっている。本研究では地表面温度(LST)の抑制に効果的な緑地配置について明らかにすることを目的に,衛星面像を用いて,緑地の分布,面積,形状とLSTとの関係を検討した。解析対象地は,愛知県長久手町おとびその周辺とした。解析の結果,緑地や田畑などの自然・半自然被覆がLSTを抑制する効果があり,人工的被覆である市街地がLSTを上昇させることがわかった。また,面積が大きく連続的な緑地が,LSTの抑制に効果的であることがわかった。 3)これまでの成果をまとめて報告書を作成した。
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