研究課題/領域番号 |
19656159
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
丸山 公一 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (90108465)
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研究分担者 |
吉見 亨祐 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 准教授 (80230803)
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研究期間 (年度) |
2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | バイオミネラル / 真珠 / 集合組織 / 微細組織 / 反射分光 / X線マイクロビーム回折 |
研究概要 |
本研究では、田崎真珠(株)奄美大島養殖場で養殖された真珠貝の一種であるマベガイの貝殻について、内殻である真珠層中の微細組織と微細構造、光学特性との相関性について調査した。真珠層は、厚さが可視光の範囲にあるとされるアラゴナイト結晶板の集合体であり、アラゴナイト結晶間はコンキオリンと呼ばれる複合タンパク質によって複合化されている。そこで、真珠層表面ならびに断面を走査型電子顕微鏡で観察し、アラゴナイト結晶板の直径および厚さを測定した。その結果、直径はおよそ2-2.5μm、厚さは200-450nmであり、平均直径が大きいほど平均厚さが厚くなる傾向にあることを見出した。次いで、2次元検出器を使ったX線マイクロビーム回折法によって、真珠層中のアラゴナイト結晶板の結晶配向性について調査した。その結果、アラゴナイト結晶板の平均直径が大きく平均厚さが厚い領域では、アラゴナイト結晶板はc軸のみが真珠層表面に垂直に配向した、いわゆる1軸配向性を示すが、平均直径が小さく平均厚さが薄い領域では、アラゴナイト結晶板はc軸が真珠層表面に垂直に配向し、しかもa、b軸がそれぞれ真珠層内で配向するいわゆる3軸配向性を示す傾向にあることを見出した。さらに分光測色計を用いて、真珠層表面から得られる分光反射スペクトルを測定した。その結果、真珠層内の光の透過深さは可視光の短波長側(約320nm)では約1mm、波長約450nmで2mm程度となっていることが明らかとなった。また、反射分光にはピークが現れ、アラゴナイト結晶板の平均厚さが薄いものでは1次の分光ピークが可視光の低波長側、平均厚さが厚くなるにつれて高波長側へと分光ピークがシフトすることが見出された。
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