研究課題/領域番号 |
19656171
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 財団法人ファインセラミックスセンター |
研究代表者 |
和田 匡史 財団法人ファインセラミックスセンター, 材料技術研究所, 副主任研究員 (30426506)
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研究分担者 |
北岡 諭 財団法人ファインセラミックスセンター, 材料技術研究所, 主席研究員 (80416198)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 腐食 / プロトン伝導体 / 拡散 / 高温安定性 / 腐食防止膜 |
研究概要 |
本研究では、腐食防止膜にプロトン伝導体を適用することにより、膜中の腐食ガスの内方向拡散を抑制し、腐食防止膜の特性向上を図ることを目的としている。前年度の研究では、プロトン伝導体の一つであるLa_2Si_2O_7について、O_2+H_2Oのポテンシャル勾配下では、O_2のみのポテンシャル勾配下に比べて、酸素透過量が減少するとともに、水素透過が起こっていることを明らかにしている。今年度は、水素の透過も同時に抑制するため、プロトンの透過がほとんど無いAl_2O_3との積層化を検討した。ホットプレスによる固相接合を実施し、1300℃で接合体が作製可能であった。一方で、実際にガス透過性を測定する1500℃以上では液相が生じており、ガス透過性の測定は困難であった。なお、熱力学平衡計算によれば、上記組合せは、1500℃においても広い酸素分圧範囲で反応しないことが示され、今回の実験結果とは異なる予測結果が得られている。ここで、今回供試したLa_2Si_2O_7粉末は、ICPによる分析の結果、僅かにSiリッチ側にずれた組成であった。La_2O_3SiO_2系の相図によれば、La_2Si_2O_7の組成からSiリッチ側にずれると、液相が共存する温度が大きく低下する傾向にあることから、La_2Si_2O_7の組成のずれが液相生成に関与した可能性が高い。更に、Al_2O_3が加わって多成分系となることで、液相の生成がより低温で促進されているものと推察される。したがって、La_2Si_2O_7-Al_2O_3積層体を超高温の腐食防止膜として安定に用いるには、La_2Si_2O_7の組成の厳密なコントロールが重要になるものと考えられる。
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