研究課題/領域番号 |
19656182
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
水口 将輝 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (50397759)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2007年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 磁性 / スピンエレクトロニクス / グラニュラー / 共鳴 |
研究概要 |
金属微粒子を絶縁体、あるいは半導体中に分散したグラニュラーシステムに関する様々な研究が古くから行われている。グラニュラー系では興味深い伝導現象が観測されるが、未だ、その伝導機構やスピンダイナミクスに未解明の部分が多い。そこで、本研究では様々な形態のナノサイズグラニュラーシステムにおけるスピンダイナミクスを共鳴現象から明らかにすることを目的とした。本年度は、昨年度得られたグラニュラーシステムの創製方法に関する知見を生かし、微粒子径や微粒子間距離などを様々に変化させたグラニュラー構造を系統的に創製し、共鳴現象を利用したナノサイズグラニュラーシステムの共鳴現象の測定を行い、スピンダイナミクスの解明に着手した。まず、Fe連続膜のFMR測定を行った結果、磁場の印加に従って周波数がシフトする共鳴ピークが観測され、その強度は膜厚の増加に比例することが確認された。続いて、膜厚3nmのFeナノドットを含有するグラニュラー薄膜では共鳴ピークが観測されたのに対し、同膜厚のFe連続膜では明確な共鳴ピークが観測されなかった。蒸着量が等しく構造のみが異なる2種類のFe薄膜において、異なる共鳴現象が観測されたのは非常に興味深い結果である。Feの形状磁気異方性が両者で異なることがその起源として考えられるが、詳細は明らかでない。Feナノ粒子が整列した膜厚0.3nmの試料についても測定を行ったが、明確な共鳴ピークは観測されなかった。これは、Feのスピン数が本手法の検出限界以下であることを示唆している。今後、これを観測するためには、試料をウェーブガイドの中に埋め込むなどの感度を向上させる工夫が必要であると考えられる。
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