研究課題
萌芽研究
次世代バイオドジメトリー構築のためのバイオマーカーを検索した。バイオマーカーとして「次世代」という名に相応しい低分子量非翻訳RNA (microRNA)を標的とした。電離放射線照射した細胞から経時的に(0、24、48、72、96、120、144、168、192時間目)トータルRNAを精製し、低分子量非翻訳RNA(50-120bp)を分画した。その後、低分子量非翻訳RNAを逆転写酵素でDNA化してベクターに組み込み、「電離放射線照射後の低分子量非翻訳RNAによるcDNAライブラリー」を作成した。作成したcDNAライブラリーについて、それぞれの経過時間毎にシークエンスをおこない(100クローン以上)、塩基配列を遺伝子データー・ベースに照会して解析をおこなった。その結果、多くのクローンに発現低下が観察されたが、発現低下が確実視される新規低分子量非翻訳RNAクローンが3つ、発現上昇が確実視される新規microRNAクローンが1つ見つかった。更に興味深いことに、電離放射線照射後144時間目以降のcDNAライブラリー中に、ポリグルタミン病(ハンチントン舞踏病をはじめとする多くの神経変性疾患の総称で、伸長ポリグルタミンの蓄積が神経変性疾患を引き起こすと考えられている)の原因遺伝子のひとつであるポリグルタミン合成酵素のcDNA断片が多数、見つかった。これらの知見は、次のような萌芽的研究の興味深い成果を提供していると思われる。1)低分子量非翻訳RNAをマーカーとしたアビオドジメトリー・システムの構築のための基礎実験データを提供し得た。2)致死線量照射された電離放射線被曝細胞では、細胞分裂を終えた細胞(postmitoticcell)として長期間にわたって生存維持しており、この状態が、神経変性疾患と深く関連するポリグルタミンの合成を伴う可能性が示唆された。
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