研究課題/領域番号 |
19657005
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
遺伝・ゲノム動態
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石原 健 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (10249948)
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研究分担者 |
古賀 誠人 九州大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (60243888)
藤原 学 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教 (70359933)
広津 崇亮 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教 (70404035)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2009年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 学習 / 線虫 / 神経 / 忘却 |
研究概要 |
記憶の保持時間を適切に制御することは、刻々と変化する環境に適応するために重要であるが、そのメカニズムはこれまでほとんど明らかになっていない。本研究においては、線虫C.elegansをモデルとして、記憶を忘れにくい変異体の単離とその解析を通じて、忘却の分子メカニズムを明らかにすることを目指している。本年度は、これまでに同定した、嗅覚順応と塩走性学習の記憶を忘れにくい変異体qj56について、その原因遺伝子のマッピングと同定をすすめ、シグナル分子のアダプタータンパク質であることを明らかにした。また、これまでに同定した、ブタノンエンハンスメントの記憶が消去されにくい変異体qj74について、マッピングと表現型回復実験により、原因遺伝子を同定した。この遺伝子は、シナプス放出の制御に関わるタンパク質をコードしていた。この遺伝子の発現を、GFP融合遺伝子を用いて解析したところ、多くの神経細胞において発現し、細胞体や神経突起に局在していた。これらの結果から、シナプス放出の制御をすることによって、記憶の保持時間を制御している可能性が示唆された。 これまで、忘却に関わるメカニズムは、ほとんど明らかにされてこなかったが、本研究によって、忘却の分子メカニズムを解析するために、線虫をモデルとした分子遺伝学的な解析が有用であることが明らかになるとともに、今後の忘却に関わる分子メカニズムを解明するための基盤となる成果が得られた。
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