研究課題/領域番号 |
19657056
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
松浦 彰 千葉大学, 大学院・融合科学研究科, 教授 (10272692)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2008年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2007年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 細胞老化 / テロメア / テロメラーゼ / 出芽酵母 / リソソーム / 液胞 / リソソーム・液胞 |
研究概要 |
細胞老化はストレスに対する細胞応答のひとつであり、テロメア短縮、DNA傷害などゲノムの損傷により誘導される。老化した細胞ではその形態が特徴的に変化し、代謝が変化することが知られている。本研究は、老化過程におけるゲノム恒常性変化とタンパク質の質的制御との関連に注目し、ゲノム情報を格納する場である細胞核、および分解に関わるリソソーム・液胞というオルガネラ間の未知の連携機構を明らかにすることを目的とした。 まず、テロメラーゼRNAコンポーネントをコードするTLC1遺伝子の破壊株において、テロメア短縮による老化過程を模倣する株を作成した。この株では、テロメアが短縮するにつれ増殖速度が低下し、に伴い細胞体積が極端に増加し、それらの細胞では液胞のサイズ、形状が大きく変化していることを見いだした。また、tlclと液胞形態形成異常変異との二重変異株を作成し、細胞老化過程への影響を観察したところ、細胞増殖速度が早期に低下し、その際にtlcl株に比較して生存率が大きく低下することが観察された。このことから、液胞機能は老化細胞の生存率維持に関与していることが示唆された。 液胞機能に関する種々の変異株を用いて、細胞老化過程における液胞機能の重要性をさらに検討したところ、液胞内分解経路に異常を持つ株では細胞老化過程が遅延することを見いだした。このことから、老化の進行に伴う細胞内生理変化に液胞のバルクな分解機構が関与していることが考えられる。
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