研究課題/領域番号 |
19657074
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹元 博幸 京都大学, 霊長類研究所, 研究員 (80379015)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2009年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2007年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 人類学 / 進化 / 生態 / 類人猿 / ホミニゼーション / 熱帯林 / 果実量 / 気温 |
研究概要 |
Takemoto(2004)は、チンパンジーの地上利用頻度に季節差があるのは、樹上果実量が多いときに樹上を良く利用するためではなく、気温が高い季節は地上部が過ごしやすい気温になるためだと結論している。熱帯林内の林冠付近は地上部にくらべ気温が高いのが一般的傾向であると言われているが、アフリカの大型類人猿調査地で気温の垂直構造が測定された事はない。本研究は、熱帯林内の食物量と気温や湿度など物理環境の変動を地上部から林冠までの垂直構造とともにとらえ、野生チンパンジーとボノボの森林内空間利用がどのように変化するかを明らかにすることである。本年度は今まで収集した資料を用いて両種の生息地の環境と地上利用の違いを解析した。 西アフリカ・ボッソウのチンパンジーの地上利用時間は乾季に増大し、雨期に減少する。また、雨期には林冠に近い高さを良く利用するが、乾季の利用高度は低くなる。対して中央アフリカ・ワンバ地域のボノボの地上利用時間の季節差は無く、森林内の利用高度も変化しなかった。両生息地とも林冠付近の気温は5℃程度地上付近の気温より高かったが、気温の季節変化はボッソウが大きい。多変量解析によると、地上性の差は種や調査地あるいは果実量の差ではなく、観察日の気温の影響が強いことが判明した。森林内気温の季節変化が大きいボッソウ地域に対して季節差の少なかったワンバ地域の気象が森林内利用空間の違いをもたらしていると考えられる。今後2種の採食内容を比較するとともに、アフリカ古気候の変遷が2種の生態に与えた影響について考察したい。
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