研究課題/領域番号 |
19658017
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物病理学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
柘植 尚志 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (30192644)
|
研究期間 (年度) |
2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
|
キーワード | 植物病原糸状菌 / Fusarium oxysporum / 病原性変異株 / 生物防除 |
研究概要 |
土壌生息性糸状菌Fusarium oxysporumには、異なる作物に萎凋性病害を引き起こす80以上の系統が存在し、世界的に最重要かつ難防除病原菌のひとつに数えられている。F. oxysporum病害では、非病原性F. oxysporum菌株を用いた生物防除について実用化に向けた試験研究が進められている。本研究では、メロンつる割病菌(F. oxysporum f. sp. melonis)から作出した、変異遺伝子が特定された非病原性変異株を用いて、それらの発病抑制効果を比較し、生物防除活性を持つ菌株の生理学的および病理学的性質、それらを決定する遺伝学的背景の検証を目指した。 メロンつる割病菌Mel02010株から、病原性に不可欠であることが報告されているFOW2、FoPCK1、FMK1、GAS1、FRP1、FGA1またはFGB1遺伝子の破壊株を作出した。それぞれの破壊株のメロン植物に対する病原性を検定したところ、FGA1またはFGB1以外の破壊株は、病原性を失っていることが確認された。 本葉が1枚展開したメロン苗に各遺伝子の破壊株の胞子を種々の濃度(10^6、10^7および10^8/ml)で浸根接種し、病原性菌株胞子を混合した汚染土(10^5/g)で3週間栽培した。その結果、転写制御因子をコードするFOW2とMAPキナーゼをコードするFMK1の破壊株は、接種胞子濃度に依存した発病抑制効果を示し、生物防除活性を持つことが明らかとなった。一方、他の遺伝子破壊株では、生物防除活性は認められなかった。以上の結果は、病原性欠損株でも、変異遺伝子によって生物防除活性が異なることを示した。また、FOW2またはFMK1破壊株は根表皮細胞に侵入できないことから、生物防除活性には根組織への侵入が不可欠でないことが示唆された。
|