研究概要 |
1)わが国の水田鋤床層に形成された斑鉄中の細菌群集を16S rDNAを対象にPCR-DGGE法を用いて解析した。DGGEバンドパターンより、斑鉄中には特有の細菌群集が生育し、多様性は低いことがDGGEバンドパターンより明らかとなった。また、塩基配列を決定した29クローン中12クローンは、鉄の酸化や還元に関係することが知られているSiderooxidans ghiorsii, Azoarcus sp., Azovibrio sp., Dechloromonas sp., Acidimicrobium ferrooxidans, Geobacter psychrophilus, Clostridium sp., Desulfovibrio sp., Desulfonatronum cooperativumに近縁であった。これらの結果より、鉄の動態に関与する特異な細菌が斑鉄中に生育していると結論した。 2)我が国の水田から、2価のマンガンを酸化する39株の細菌と25株の糸状菌をマンガン結核から分離し、16SrDNA、18SrDNAの塩基配列から解析したところ、最も多くの株がそれぞれBurkholderiaとAcremoniumに属していた。2価のマンガンを含む寒天培地上で分離菌を増殖させたところ、二酸化マンガンの生成は、増殖後に進行したことから、マンガン酸化に伴うエネルギーは、これら分離菌に利用されていないと推察した。
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