研究課題/領域番号 |
19658058
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学・森林工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
丹下 健 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20179922)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2007年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 熱帯樹木 / 荒廃地造林 / 通水抵抗 / アクアポリン / 高温ストレス / 根 / 順化 |
研究概要 |
高温が根の通水機能に与える影響を高温耐性種のAcacia mangiumと高温感受性種のA. melanoxylonで比較するため、根の通水コンダクタンスを測定する際の温度を変えることによって通水コンダクタンスの温度依存性を調べた。A.mangiumでは、アクアポリン依存の通水コンダクタンスが35℃で25℃に比べて約2倍近くに増大することを明らかにした。高温処理によってこの温度依存性が強まり、その結果、高温処理をしたA.mangiumの35℃での根の通水コンダクタンスは高温処理前の25℃での根の通水コンダクタンスに比べて大きかった。一方、A.melanoxylonでは通水コンダクタンスの温度依存性がほとんど認められず、高温処理をしたA.melanoxylonの35℃での根の通水コンダクタンスは高温処理前の25℃での通水コンダクタンスに比べて小さかった。A.mangiumの通水コンダクタンスの温度依存性は水の粘性の温度依存性だけでは説明できないものであり、高温によってアクアポリンの活性が増大することを示唆した。A.mangiumでは根が高温にさらされるとアクアポリンの活性が誘導され、根の通水機能が維持されるために地上部に十分な水分が供給され、成長を維持することができたのだと考えられる。一方、A.melanoxylonでは根が高温にさらされるとアクアポリンの活性が阻害されて根の通水機能が阻害されるために地上部への吸水が不足し、気孔閉鎖を通じて光合成が抑制され、成長が阻害されたと考えられる。葉の光合成機能の高温耐性だけでなく、根の吸水機能の高温耐性も高温環境下での個体の生育にとって重要であることが明らかにした。
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