研究課題/領域番号 |
19658086
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業土木学・農村計画学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山路 永司 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (10143405)
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研究分担者 |
千賀 裕太郎 東京農工大学, 共生科学技術研究部, 教授 (90142231)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 農村景観 / 景観法 / 景観条例 / 土地利用 / 棚田景観 |
研究概要 |
本研究では、良好な農村景観の維持あるいは向上のために、農村景観の評価基準を作成し、体系化することを目的とした。そのうえで、良好な農村景観がどのような土地利用の上に展開しているのかを明らかにすること、および良好な景観を例示することも目的とした。これらの目的に基づき、以下の研究を行った。 1)農村景観形成の主体として、地域住民、行政および来訪者の役割を明らかにするため、千葉県鴨川市大山千枚田において各主体に対するヒアリング調査およびアンケート調査を行った。その結果、これまで重視されていなかった来訪者の重要性が明らかになった。 2)景観法および関連する通達・施行令・自治体における景観条例について収集情報をし、農村景観に関する記述を整理・分析した。とくに最も先駆的である真鶴市の条例については、詳細に分析し、行政の現場における有効性も確認した。また特徴的な景観行政を行っている北海道東川町、岐阜県白川村、神奈川県秦野市についても情報収集を行った。 3)農村景観の各要素の分析・評価のため、国内の先進地(千葉県鴨川市大山地区、愛媛県宇和島市遊子地区、滋賀県近江八幡市水郷地区)および国外の先進地(イタリアのチンクェテッレ地域、ドイツのクラインメッケルゼン村、インドネシアのタバナン地区)を現地調査し、農地・住宅地・周辺の自然などの景観要素を収集し、分析を行った。とくにクラインメッケルゼン村では、同村および周辺の類似村の調査を行った結果、上位の行政団体であるジッテンゼンと協力して行っている土地利用計画(Bプラン)の適切な運用によって、村の活性化と景観保全とを両立させていることを確認した。 4)農村景観を総合的に捉える方法として、構成要素を評価する方法、全体としての景観を評価する方法に加え、農村自治体のソーシャルキャピタルを加味する方法を試行した。その結果、ソーシャルキャピタルと景観の質とはある程度の相関があることが明らかとなった。しかしながら、相関の先の因果関係を明らかにすることが、課題として残った。
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