研究課題/領域番号 |
19658091
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業環境工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大下 誠一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00115693)
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研究分担者 |
牧野 義雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (70376565)
川越 義則 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (80234053)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2007年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | マイクロバブル水 / キセノンガス / プロトン緩和時間 / 縦緩和時間 / 横緩和時間 / バブル滞留時間 |
研究概要 |
水中にマイクロ・ナノバブル(MNB)を発生させ、ナノバブルに注目して0.6nm〜6μmの範囲にある粒子径を評価した。さらに、バブルの存在が期待される水の動的特性をNMR緩和時間T_1から検討した。 水は超純水製造器(Direct-Q,日本ミリポア(株))で調製し、MNBの生成にはマイクロバブル発生システム((株)ニクニ製を改良)とマイクロバブル発生装置OM4-MDG-020((株)オーラテック)を用いた。バブル径測定にはゼータサイザーNano-ZS(シスメックス(株))を用いた。前者のシステム稼備後1時間まではデータが安定せず、バブルのピーク粒径は340nm、分布範囲は120nm〜6μmであった。稼働後1.5時間には、ピーク粒径(190nm)は小粒径側にシフトした。2時間後にバブルの発生を停止した時点で、分布範囲は50nm〜1μm、ピーク粒径は120nm付近であり、これは1日後まで安定して観測されたが、2日後に165nm付近になった。また、後者のバブル発生装置を45分稼働させた場合、酸素MNBの生成後15日間は、ナノサイズのバブルが安定に存在した。 一方、酸素MNBにより溶存酸素濃度が上昇し、40mg/L程度の高濃度になった。水中に微細なバブルが存在すると、水分子のネットワークに影響してT_1の変化が期待される。しかし、酸素が常磁性を有するため、単純にはT_1からバブルの影響を抽出できない。そこで、常磁性のMn2+を添加して酸素の常磁性をマスクした。10mM のMn2+溶液を調製し、これに酸素MNBを生成させた水を準備した。その結果、溶存酸素濃度(DO)が7.6mg/LのMn2+溶液に対して、この溶液に酸素MNBを生成させた水(DO=33.6mg/L)のT_1が顕著に増大した。この結果は、水中におけるナノバブルの存在を支持するものであると判断された。
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