研究課題/領域番号 |
19658126
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境農学
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
受田 浩之 高知大学, 教育研究部自然科学系, 教授 (60184991)
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研究分担者 |
島村 智子 高知大学, 教育研究部自然科学系, 准教授 (50350179)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2007年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 微細藻 / デュナリエラ / 海洋深層水 / β-カロテン / ピロリ菌 |
研究概要 |
H20年度は、(1)膜蒸留法による濃縮高塩分化海洋深層水の製造とデュナリエラの培養への応用、(2)蒸発濃縮海洋深層水を用いたデュナリエラの培養技術の確立、(3)デュナリエラのピロリ菌増殖抑制効果の解明、の研究を実施した。各項目の研究結果は下記の通りである。 (1)新たに提案した膜蒸留装置により、濃縮海洋深層水(塩分濃度5.2%)から濃縮高塩分化海洋深暦水(塩分濃度12.3%)を製造することが可能であった。また、濃縮高塩分化海洋深層水に窒素とリンのみを添加することでデュナリエラの培養に利用可能であることが判明した。(2)工業的蒸発濃縮により製造した硬度20,000mg/L(塩分濃度16%)の蒸発濃縮海洋深層水を用いた際に、最も良好なデュナリエラの増殖が認められることを明らかとした。また、この蒸発濃縮海洋深層水に栄養塩として窒素のみを添加することで十分なデュナリエラの増殖が認められることが判明した。以上の結果より、外部からのNaC1の添加を必要としないデュナリエラの培養系を確立することができた。これにより培養コストを大幅に削減可能であることから、本知見は日本国内におけるデュナリエラの産業的培養の実現に寄与できるものと考えられた。 (3)デュナリエラMeOH抽出液のピロリ菌増殖抑制効果について調べたところ、機能性物質として知られ、かつデュナリエラ中に豊富に含まれるβ-カロテンは抑制効果を示さず、β-カロテン以外の複数の物質が抑制効果に関与していることが判明した。これまで、デュナリエラ中におけるβ-カロテン以外の機能性物質の存在は明らかとなっていないことから、本研究の成果は、デュナリエラへの新たな価値の付与に貢献できるものと考えられた。
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