研究課題/領域番号 |
19659012
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
東 伸昭 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 准教授 (40302616)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ヘパラナーゼ / ヘパリン / プロセシング / マスト細胞 / ヘパラン硫酸 / 糖鎖 / 脱顆粒 / グリコシダーゼ / 低分子化 / マクロファージ / トリプターゼ / 浸潤 |
研究概要 |
本研究課題ではヘパラン硫酸・ヘパリンという硫酸化多糖を対象として、エンド型グリコシダーゼによるこの多糖の限定切断や低分子化を可視化すること、硫酸化多糖と相互作用する分子や細胞の機能が限定切断に伴い調節を受ける機構を解明すること、の2点について、免疫細胞を対象に検討を行ってきた。 マスト細胞で生じるヘパリン低分子化は穎粒内物質の生理活性変化を伴う「プロセシング」と考えられることを平成19年度に報告した。 20年度はこれをふまえ、ヘパリン低分子化に伴うマスト細胞の機能変化を広く検討した。顆粒内にヘパリンを蓄積し、かつヘパラナーゼを微弱に発現するマスト細胞株MSTにヘパラナーゼ遺伝子を導入することにより、生体内の結合組織型マスト細胞と同レベルのヘパラナーゼを発現する遺伝子導入株の作製に成功した。この細胞は脱顆粒の閾値、ヒスタミン、ヘキソサミニダーゼの放出量についてモック細胞との間に明確な差を示さなかった。一方、可溶化物が示す高分子基質(フィブロネクチン)の切断活性はペパラナーゼ遺伝子導入株で亢進した。脱顆粒時に放出されるヘパリンを顆粒内蓄積量と考え、これを2つの方法で測定した。代謝標識したヘパリンの放射活性による定量ではヘパラナーゼ遺伝子導入株の方が20%程度高かったが、ウロン酸総量の定量では逆に30%程度少ないという予想外の結果を得た。ヘパラナーゼ遺伝子導入株の顆粒内では生合成されて間もないヘパリンの割合が多い、すなわち顆粒内ヘパリンのターンオーバーが早いものと解釈される。ヘパリン以外の顆粒内生理活性物質について、その細胞内局在と寿命を変化させる可能性がある。
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