研究課題/領域番号 |
19659013
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
池谷 裕二 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 准教授 (10302613)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | イメージング / in vivo / 血管 / 海馬 / カルシウム / 神経回路 |
研究概要 |
多ニューロン活動のカルシウム画像法は次世代ツールとして注目されているが、しかしながら、現時点では、脳スライス標本において成功を収めていたに過ぎなかった。そこで、本研究では、この新技法を個体動物の脳に応用し、生きた動物でニューロン活動を記録することに挑戦した。しかも、大脳皮質のような脳の表層部位ではなく、脳の深部での観測法を確立を試みた。とりわけ従来はまったく不可能であった海馬からの記録に挑戦した。最終年度である20年は、特別設計された尖端状の極細対物レンズを用いることで、実際に、脳深部からのイメージングが可能であることを証明した。具体的な実験としては、血管造影剤FITC dextranを静脈内投与し、血流速と血液細胞数を同時に観察した。 脳のエネルギー代謝における恒常性は、脳への安定した血流供給により維持されている。たとえば、脳には急激な血圧変化に対しても、脳血流を一定に保つような機構が働く。これは自動調節能と呼ばれ、古くから知られている。しかし、海馬のような脳深部から1本1本の毛細血管の解像度で自動調節能を観察した研究は過去になく、本研究で新たに開発したスティック型の細径対物レンズがこれを可能とした。 薬理学的に血圧を一過性に変化させ、海馬と末梢組織の毛細血管で血流速度変化を比較し、脳実質内血管における自動調節能の存在を確認した。一方、その速度変化は個々の血管で様々であったことから、自動調節能とは脳全体での調節だけではなく、個々の血管レベル、すなわち局所的な調節も関与することが本研究より初めて明らかとなった。
|