研究課題
萌芽研究
ホヤ類は一般に雌雄同体であるが、マボヤやカタユウレイボヤをはじめとする多くのホヤでは自家不稔性を示す。しかし、その分子機構は不明である。マボヤでは、主要卵黄膜成分HrVC70が自家不稔性を担うアロ認識候補分子であることを報告しているが、今回その結合パートナー(HrUrabinと命名)を精子ラフト画分に見いだし、構造と機能に関する研究を行った(JBC, 2008)。この分子は個体間の変異が少なく、アロ認識に直接関わらないと考えられるが、これに会合する精子側のタンパク質がHrVC70の多型を認識する可能性があり、現在検討中である。Far Western解析により、HrVC70の活性発現にはその高次構造の維持が重要であることが示された。一方、カタユウレイボヤにおけるHrVC70のオルソログとしてCiVC57が、またHrUrabinのオルソログとしてCiUrabinが同定された。前者は、カタユウレイボヤの卵黄膜の主要成分であることがプロテオーム解析により示され(JBC, 2009)、また後者はFar Western解析により同定された。ついで,カタユウレイボヤの卵黄膜成分の網羅的解析を行った(JBC, 2009)。その結果、ポジショナルクローニングによって同定された雌側のアロ認識分子(v-Themis)が、卵黄膜に確かに存在することを確認した(Science, 2008)。この雄側分子(s-Themis)の遺伝子の第一イントロン内に雌側因子v-Themisの遺伝子が逆向きに配置されており、雄側と雌側の因子が連鎖して密接な関係にあることが示された。今後は、このタンパク間相互作用がアロ特異的であるか否かを検討する予定である。
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