研究概要 |
前年度に確立した、Stx2B-subunitとマルチバレントペプチドライブラリーとの結合の高感度検出法(ALPHA法)、ならびにマルチバレントペプチドライブリーの最適核構造を用い、以下の検討をおこなった。 1 Stx2B-subunitに対する1 position固定ライブラリーを用いたスクリーニング 得られた最適核構造(MA-XXXX-AU)_4-3Lysに、XXXZXXXの配列からなるライブラリーを導入する。Zは固定アミノ酸を示す。 (MA-XXXZ_1XXX-AU)_4-3Lys, (MA-XXXZ_2XXX-AU)_4-3Lys,〜 今回スクリーニングの効率を上げるため、Zの位置に性質の異なるアミノ酸ミックスチャーを導入した。すなわちZが、(G,A), (V,L,I,M), (F,Y,W), (S,T), ((D,E), (N,Q), (K,R,H), (P)から構成される8種のライブラリーを合成し、Stx2B-subunitとの結合をALPHA法で検討した。検討にあたっては、bgを下げるための試みとして、1)Stx2B-subunit変異体を大量に存在させる、2) 系に界面活性剤、あるいはBSAを導入する、3) ligandとtargetの量比を詳細に検討する、以上の検討を行った。最終的にbgを十分に抑制する条件を決定することができ、本条件で上記8種のライブラリーのスクリーニングを行ったところ、(K,R,H)を有するライブラリーに特異的な結合が観察された。本結果はこれまで得られていたStx2B-subunitが塩基性アミノ酸クラスターを選択するという結果と合致しており、本系の方向性の正しさが証明された。現在K,R,Hの絞り込み、さらに固定アミン酸を増やした検討を順次すすめている。
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