研究課題/領域番号 |
19659035
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
細谷 健一 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (70301033)
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研究分担者 |
立川 正憲 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (00401810)
大熊 芳明 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (70192515)
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研究期間 (年度) |
2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | アミノ酸トランスポター / LAT1 / プロモーター解析 / 糖尿病網膜症 / 血管新生 / Dual-luciferase assay |
研究概要 |
糖尿病網膜症の悪化要因の一つは、網膜基部の血管が閉塞し網膜への栄養供給が滞ることを主な引き金とする「血管新生」である。本研究では、申請者の仮説「糖尿病網膜症において、網膜毛細血管内皮細胞のL型中性アミノ酸トランスポーター(LAT1)は転写活性を亢進させ、内皮細胞の異常増殖を促進している。そこで、LAT1の転写活性化阻害因子を同定し、内皮細胞へのアミノ酸供給を遮断することによって、網膜血管新生を抑制できる。」を証明し、LAT1を分子標的として網膜血管新生を阻害する方法を開発につなげることを目的とした。プロモーター領域を合むLAT1遺伝子の上流を組み込んだconstructsを作製し、条件的不死化ラット網膜毛細血管内皮細胞株(TR-iBRB2細胞)にトランスフェクションした。トランスフェクション後、細胞をglucose不含培地で培養し、Dual-luciferase assay法を用いてLAT1プロモーター活性の変動を解析した。また、glucose枯渇時のLAT1プロモーター活性化に関与する転写因子について、Electrophoretic Mobility Shift Assay (EMSA)法を用いて解析した。Dual-luciferase assayの結果、-1958/+70 constructにおいてglucose不含培地による培養時間依存的にluciferase活性の上昇が示され、培養18時間では1.66倍増加した。さらに、欠失解析を行ったところ、-106/+70 constructで示された活性上昇は、-185/+70 constructで示された活性上昇から有意に38.0%低下した。また、-162 bp/-155 bpの間で変異処理を行ったconstructsでは、変異処理を施していないconstructsと比較してglucose枯渇によるluciferase活性の上昇が最大で73.9%低下した。これらの結果、glucose枯渇時のLAT-1活性化に-162bp/-157 bpに存在するE-boxが関与していることが示唆された。EMSA解析の結果、-171 bp/-148 bpの標識プローブと核タンパク抽出物を反応させた条件においてバンドが検出された。一方、非標識プローブを過剰量加えた条件および-162 bp/-158 bpに変異を施したプローブを核タンパク抽出物と反応させた条件では、バンドが検出されなかった。さらに、USF1およびUSF2に対する抗体を加えた条件では、バンドがsupershiftした。従って、-162 bp/-157 bpのE-boxにUSF1およびUSF2が結合することが示された。 以上の結果から、TR-iBRB2細胞におけるglucose枯渇時のLAT1活性化は、LAT1の上流-162 bp/-157 bpに位置するE-boxが関与したプロモーター活性の上昇に起因することが示唆された。さらに、このE-boxにはUSF1およびUSF2が結合することが明らかとなった。
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