研究課題/領域番号 |
19659038
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西川 元也 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (40273437)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | イメージング / 転写因子 / 活性酸素 / ハイドロダイナミクス法 / 肝臓 |
研究概要 |
炎症などの病態時に活性化するAP-1やNF-kappaBなどの転写因子の活性変動を評価することで、種々疾患の病態解明ならびに医薬品候補化合物のスクリーニングが可能と考えられる。本研究では、レポーターアッセイをin vivoに適用することで、転写因子活性の生体内評価システムの開発を試みた。昨年度開発した、NF-kappaB活性に依存してホタルルシフェラーゼを発現するプラスミド(pNFkappaB-Luc)を利用した肝臓NF-kappaB活性評価システムを用い、癌転移時のNF-kappB活性変動について評価した。作製したモデルマウスに対し、門脈からマウス結腸癌細胞を注入したところ、肝臓中ルシフェラーゼ活性の一過性増大が観察された。この活性増大は、予め肝臓マクロファージであるKupffer細胞を機能的に除去することで消失した。また、結腸癌細胞に代えてマウスマクロファージを注入した場合には活性上昇が認められなかった。さらに癌細胞を注入した際の活性上昇は、肝臓指向型カタラーゼの投与により有意に低下した。以上の結果から、癌細胞が門脈から肝臓に流入すると、おもにKupffer細胞がこれを認識し、その過程において活性酸素、中でも過酸化水素が産生されることで肝細胞でNF-kappaBが活性化することが示唆された。一方、癌細胞内での活性化を評価するために、pNFkappaB-Lucを安定に導入した結腸癌細胞colon26/NFkappaB-Lucを樹立した。この細胞でのルシフェラーゼ活性は、マウスへの移植により大幅に増大したことから、癌細胞中のNF-kappaB活性も、癌細胞が門脈内に流入し、Kupffer細胞などとの相互作用により活性化することが示唆された。以上、転写因子活性の生体内評価システムの開発に成功した。
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