研究課題/領域番号 |
19659039
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高倉 喜信 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30171432)
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研究分担者 |
西川 元也 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (40273437)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | DNAワクチン / 熱ショックタンパク質 / 膜透過ペプチド / 抗原提示細胞 / 細胞内動態 |
研究概要 |
同定した癌抗原を投与することで癌細胞を特異的に認識し直接破壊する細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導する癌免疫療法は、抗原特異的な免疫応答を惹起可能であることから外科療法、放射線療法、化学療法に続く第4の癌治療法として期待されている。本研究では、癌細胞内に存在する癌抗原の細胞外輸送ならびにAPCへの選択的デリバリーを実現する抗原デリバリーシステムを開発することで、抗原投与を全く必要としない抗腫瘍ワクチンの開発を行う。癌細胞内で抗原をトラップし、APCにデリバリーする機能分子にはheat shock protein 70 (Hsp70)を用いる。昨年度は、単純ヘルペスウイルスのVP22タンパク質の、膜透過活性を有することが報告されているC末側34アミノ酸残基をHsp70に融合したHsp70-VP22(268-301)発現プラスミドベクターを開発し、OVAをモデル抗原として発現するEG7細胞のマウス皮下腫瘍内に投与することで、高い抗腫瘍効果が得られることを明らかにした。このとき、OVAを発現しないEL4細胞に対してもCTL活性が認められたことから、EG7細胞内の抗原がAPCに提示され、EL4とEG7に対する抗腫瘍免疫が誘導されたものと推察された。一方、抗原性の高いタンパク質の遺伝子導入では、2度目以降の導入の際、抗原に対する免疫応答により遺伝子発現が著しく減少する傾向が認められたが、担癌マウスでは繰り返し投与の場合にも遺伝子発現の現象が認められず、抗原に対する免疫寛容状態にある可能性が考えられた。従って、単に抗原を癌細胞から引き抜くだけでは十分な免疫応答を誘導できないことが懸念され、更なる効果増強には免疫状態をTh1サイトカイン優位な状態に変えるIFN-γ遺伝子導入の併用などが重要と考えられた。
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